◆初級編◆グルーガンを使った本の作り方[30枚(60ページ)程度の小冊子の製本方法](テキストと写真編)
30枚(60ページ)程度の小冊をグルーガン(ホットメルトガン)を使って製本する作り方です。グルーガンを使って製本するメリットは、薄い冊子の背に確実にホットメルトをのせることができることです。
ホットメルトシートで製本する場合だと、シートをひも状に切って背にのせて、背からずれないようにアイロンをあてる必要がありますが、グルーガンなら、熱で溶けた状態でホットメルトをのせることができますので、背からはみ出すことがありません。
また、ホットメルトシートを切ったり貼ったりする手間がかかりませんので、手返しよく短時間に見栄えのよい本をたくさん作ることができます。
用意するもの
必ず必要なもの
- 原稿
- 表紙
- グルーガン(高温タイプ こて先が170度程度となるもの)
- 製本用ホットメルトスティック(グルースティック)
- 定規(背の厚みを測ったり、表紙を折るため)
- アイロン(背糊を溶かして接着するため)
- シリコンシート(クッキングシート)
- てぶくろ(火傷防止のため)
あると便利なもの
- 折りべら(表紙を折るときに使います)
- ノギス(原稿の厚みを測るときに使います。定規でもよいです。)
- 裁断機(カッターでも代用できます)
- 製本機(原稿と表紙を束ねて固定するもの)
これらの道具と材料はこちらの「とじ助 スターターセット」で基本的なものがそろいます。
表紙を作る
「原稿の倍のサイズ+背の厚さ+余白」サイズの用紙を表紙として用意します。原稿よりも少し厚い紙のほうが見栄えがします。
余白は最後に切り落とすので原稿より大きければ、余白の長短は問いません。
表紙を半分に折って、折りべらのおしり(スプーン状になっている部分)でしごいて折り目をつけます。きっちり折り目をつけると、本になった時に背の角がピシっとします。
次に、背の幅を決めるために、定規やノギスで原稿の厚みを測ります。
厚みがわかったら、先ほど折り目をつけた線から厚み分離れた位置に定規を当てます。
折りべらの平らな面を定規にあて、とがった方の先で定規に沿って、こすって線をつけます。
そのまま、定規を当てたままでヘラの膨らんだほうを表にして、紙の下からヘラを入れます。
そして定規にそって手前に引きます。すると、ヘラの膨らみで紙が立ち上がります。
少しずつヘラの角度を立てて手前に引くのを繰り返して、表紙が直角に立つまで繰り返します。
表紙が立ったら、定規を外して、今作った折り目を手で折ります。ヘラでこすって印がつけてあるので簡単に折れるはずです。
折ったら、ヘラのおしりでしごいて折り目を強くします。
折り目は下図のように2本になっています。
背をのりづけする
表紙と原稿を下の図のように重ねます。
次に製本機に重ねた原稿と表紙を差し込んで固定します。
このとき原稿の天地をなるべく揃えるようにします。天と地は最終的には切り落としますので、さほど神経質になる必要はありません。
グルーガンにホットメルトスティックをセットして、こて先が温まって、こて内部でホットメルトが溶けるまで5分ほど待ちます。
やけど防止のために手袋をして、グルーガンの引き金を引くとホットメルトの溶けたものが、こて先から出るのを確認します。(シリコンシートに出してみるといいです)
確認できたら、グルーガンで背にホットメルトをのせていきます。あとで、アイロンを当てて平らにしますので、山になるようにのせて構いません。(写真を参考にしてください。)
アイロンをあてる
いったん製本機から原稿を外して、下の図のように原稿をくるむように表紙を折り返します。
そして、折り返した表紙を外にだすようにして原稿を製本機で固定します。
固定できたら、シリコンシートをのせます。
そして、背にアイロンを当ててホットメルトを溶かして平らにします(アイロンの温度は180度程度 中から高くらいです)。
このとき片手でアイロンを操作して、もう片方の手は外に出した表紙を下に引くようにしてぴんと張ります。こうすると角がピシっとして糊がつきます。
糊が固まった頃を見計らって、製本機から原稿を外して下に置きます。
膨らんでいる方の側面にシリコンシートをのせてアイロンをあてます。
平らになったら、裏返して同様にアイロンを当てます。
どちらの面も平らになったか確認しながら繰り返します。
アイロンがけが終わって、糊が冷えて固まったら、出来具合を確認します。
- 天、地から覗いてみて、背にきちんと糊がのっているか
- 表紙の見返し側と原稿がちゃんとくっついているか
- 開いてみて割れてしまわないか
を確認します。うまく行っていないようなら再度アイロンをあてます。
裁断する(化粧断ち)
下図のように余白となっている赤線の3辺を切り落とします。裁断機(写真ではディスクカッターを使っています)で切り落とすと断面が綺麗になりますが、なければカッターで数回に分けて切り落とします。
完成
これで本の形になりました!
最後にきちんと接着されているか再確認します。
うまくできていなかった時は、補修できるようなら再度アイロンをあてて補修します。
補修しきれないようなら、一旦アイロンをあてて表紙を取り外してから、再度グルーガンでホットメルトをのせて再チャレンジしてみてください。
グルーガンを使った製本方法[30枚(60ページ)程度の小冊子編](ムービー)もあわせてご覧ください。
この他の製本方法についてはこちらをご覧ください。