溝切り名人について
ページ数の多い原稿を製本するときには、製本後にページ抜けが発生しないように、製本前に背に溝を切ります。溝を入れることによって接着面積が広くなり、糊が溝に浸透するため耐久性が増し、背割れやバラ本になりにくくなります。
しかし、溝切りをされたことのある方なら思い当たるかと思うのですが、実際の溝切りの作業は、本の強度に影響する重要な作業である反面、かなりの力が必要で、背の長さが長くなるほど切る溝の本数も増し、単調で根気のいる作業です。

この作業を軽減するため
溝切りの出来る工具を考案しました。「溝切り名人」です。

- 4枚の鋸刃で一気に4本の溝を切ることができますので、作業の効率が上がります
- 鋸歯の山の数は背を切るのに適した18山です(10山、18山、24山、32山のすべてを試した結果18山が最適と判断しました)
- 歯と歯と間隔は約5mmとなっており、正確に均等な溝を切ることができます
- 背への接地面が大きいため1本刃に比べて、軽い力で切ることができます
- 替刃(1本)と鋸刃の間隔を変更するためのスペーサーとネジが付属されており、分解、組み立てが容易なため、5mm間隔で5本刃や1cm間隔で3本刃など、利用シーンに合わせた構成で利用できます
- 把手は耐久性のあるシリコーンゴムを使用
- 分解、組み立て用の搭載工具(プラスドライバー)付属

使用シーン

使用シーン




「溝切り名人」の刃の交換・追加、溝間隔の変更手順
!ご注意!安全に気をつけて作業を行ってください。
分解、組み立てをする前にあらかじめどのような構成にするかを検討して、部品を揃えておいてください。
ここでは例として標準型(5mm間隔4枚刃)から10mm間隔3枚刃に変更する手順を説明します。
<分解する>
1.本体把手部の端のネジの+側をプラスドライバーで固定しながら、反対側の蝶ナットを回して外します。

本体把手部のネジを搭載工具を使って外します
2.把手のシリコーンチューブを引き抜きます。

把手のシリコーンチューブを引き抜きます
3.本体刃部のネジも「1」と同様に外します(2箇所)

本体刃部のネジを搭載工具を使って外します
4.合計3箇所のネジを外すと、全てのパーツが外れます。

全てのネジを外すとこのような構成になっています
<組み立てる>
5.ネジにワッシャーを通したものを2本作ります。

ネジにワッシャーを通します。
6.ワッシャーを通したネジを刃部2箇所にに差し込みます。(下の写真のように机において作業をすると組み立て易いです。)

あらかじめワッシャーを通したネジを鋸刃に差し込みます
7.「ワッシャー」→「スペーサー」→「ワッシャー」の順でネジに通します。

ワッシャー→スペーサー→ワッシャーの順でネジに差し込みます
8.鋸刃を差し込み、予定した構成になるまで「7」~「8」を繰り返します。(下の写真では10mm間隔で3枚刃の構成)

鋸刃を差し込みます(同様のことを刃の枚数文繰り返します)
9.鋸刃を全て取り付けたら、ワッシャーを通してから、蝶ナットで締めます。このとき蝶ナットは写真のように、鋸刃と平行になるような位置にします。

鋸刃を全て取り付けたら蝶ナットで締めます

蝶ナットの向きは鋸刃と平行になるようにしておきます
10.把手となるシリコーンチューブを末端から差し込んで、上に引き上げます。このとき、刃部を片手で左右から挟んで末端を重ねて、もう片方の手でチューブを軽く押さえて差しこむようにすると、差し込みやすいです。

把手を末端から差し込んで、上に引き上げます

このような状態にします
11.把手部の穴にあらかじめワッシャーを通したネジを差し込みます。

末端の穴にあらかじめスペーサーを通したネジを差し込みます
12.ワッシャーを通してから、蝶ナットで締めます。

スペーサーを通して蝶ナットで締めます
13.3箇所のネジを、片手で蝶ナットを押さえながら、プラスドライバーでしっかり締めます。

最後にプラスドライバーを使用して、蝶ナットを押さえながら、強く締め込みます
14.このような構成になれば完成です。

10mm間隔3枚刃の完成です
製本する際に、背糊の接着面積を増やすために、背に溝を入れるための工具です。
付属品として、替刃、交換用ワッシャー、プラスドライバーがついており、5mm間隔5枚刃や10mm間隔3枚刃など、希望の構成に組み替えて使用することができます。(実用新案出願中)
刃の交換方法が書かれた取扱説明書はこちらをご覧ください。
特徴
- 4枚の鋸刃で一気に4本の溝を切ることができますので、作業の効率が上がります
- 鋸歯の山の数は背を切るのに適した18山です
- 歯と歯と間隔は約5mmとなっており、正確に均等な溝を切ることができます
- 背への接地面が大きいため1本刃に比べて、軽い力で切ることができます
- 替刃(1本)と鋸刃の間隔を変更するためのスペーサーとネジが付属されており、分解、組み立てが容易なため、5mm間隔で5本刃や1cm間隔で3本刃など、利用シーンに合わせた構成で利用できます
- 把手は耐久性のあるシリコーンゴムを使用
- 分解、組み立て用の搭載工具(プラスドライバー)付属

使用シーン
仕様
本体
本体 |
長さ |
250mm |
幅 |
20mm(ネジ含まず) |
重さ |
78g |
鋸刃数 |
4 |
歯数 |
18 |
材質 |
SK-3 |
製造 |
日本製 |
替刃
替刃 |
長さ |
250mm |
重さ |
14g |
鋸刃数 |
1 |
歯数 |
18 |
材質 |
SK-3 |
製造 |
日本製 |
搭載工具
プラスドライバー |
軸長 |
100mm |
先端サイズ# |
2 |
グリップタイプ |
樹脂(ハード) |
製造 |
日本製 |
付属品
その他 |
5mmスペーサー |
2 |
10mmスペーサー |
6 |
ワッシャー |
4 |
45mmネジ |
2 |